へびつかい座(アスクレピオスの誕生前)
図1は今晩七時頃の夜空です。 頭上に輝くベガ(織姫)から時計回りに、
アークトゥルス、アンタレス、木星、アルタイル(彦星)の5つの
明るい星に囲まれて中央にあるのがへびつかい座です。
ギリシャ神話ではへびつかい座は名医アスクレピオスですが、
このアスクレピオスにはこんな誕生にまつわる悲劇が伝わっています。

ラビテース族の王プレギュアースの娘コローニスは、
ギリシャ人にとって知性と文化の代表者であるアポロンの神に愛され結婚します。
悲劇の発端はアポロンがコローニスに贈った銀翼のカラスでした。
よくおしゃべりができる利口なカラスは、
コローニスのペットになり、可愛がられました。

コローニスのカラスは、
仕事のため各地を巡るアポロンの元へ伝令として飛び、
コローニスのことを伝えました。
それだけでなくカラスはいろいろ見聞きしたことを面白おかしくアポロンに話すのでした。
カラスの話にアポロンも旅先の疲れを癒されるのでした。

新聞やテレビやインターネットのない昔のことです、アポロンもカラスの話を楽しみにするようになりました。
しかし、カラスの話は面白おかしくするためにだんだんと事実を何十倍にも誇張したなんだか怪しげな話が多くなっていきます。

ある時、妻のコローニスがイスキュスという若者と仲が良くなった、愛している、、、とカラスが言ってしまいます。
この話に逆上したアポロンは事実関係も調べず妻コローニスを殺してしまいます。

ところが、コローニスを火葬するときになって、お腹にアポロンの子がいることがわかり、
危ういところで子は助け出されます。
今度は怒りはカラスに向けられ、カラスからは言葉が取り上げられ、鳥仲間では最悪のしゃがれた声にさせられ、
羽毛は真っ黒に変えられてしまいました。
のちにこのカラスは春の星座である「からず座」になります。

危ういところで助けられた子はケンタウルス族の賢人ケイロン(いて座)に預けられ医学を学びます。
これが、ギリシャ一番の名医アスクレピオスです。

アスクレピオスが星座になる別のお話に続きますが今日はここまでとしましょう。
図2はフラムスチード星図に描かれたへびつかい座です。




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図1 今晩七時頃の夜空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/636-fig1.jpg
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図2 フラムスチード星図に描かれたへびつかい座(提供:リンダホール図書館) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/636-fig2.jpg
本文終わり
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