温室効果は人類の勝手?
春の暖かさが待ち遠しいですね。 暖かさは何と言っても太陽のおかげです。 そして人類は、快適な気温で過ごせるようにコントロールしたいと思っています。 よく考えてみると太陽からの恵みは一定の値です。 季節も昼夜も平均して降り注ぐエネルギーは1平方メートル当たり239ワットです。 地表の温度が20度Cとしますと、 地表からの放熱は、これも物理法則で決まっていて、 1平方メートルあたり418ワットです。 収支をみると地表からの放熱が多く、179ワットの赤字、つまり加温よりも冷却が優っています(図1)。 このままだとどんどん気温が下がって、 マイナス18度くらいでやっと地表からの放熱のレベルが下がって釣り合いになります。 そこで助けてくれるのが大気です。 大気は、地表から出る418ワットのうちの358ワットを一旦吸収してくれます。 そして、宇宙と地表に公平に179ワットづつ放射します。 結局、地表は太陽から239ワットいただき、 地表から418ワット放出しますが、 大気の助けをかりて179ワットのリターンをもらいます。 すると見事に収支が釣り合って、快適な20度Cのままいられるというわけです(図2)。 快適に過ごせるかどうかは、大気がどれほどのエネルギーを吸って地表にリターンしてくれるかにかかっていますが、 この量をコントロールしているのが大気中の水蒸気、二酸化炭素などのガスの濃度です。 これをコントロールしようというのが地球温暖化対策です。 考えてみれば人類もすごいことを考えたものです。 とはいうもの、人類はこれまで石油や石炭を燃やし続け、 二酸化炭素が増えて大気からのリターンがいつの間にか多くなりすぎなのですから、 すごいことをやってしまったということです。 私たちは地表の温度が決定されるメカニズムを知っているわけです。 科学の力を借りて人類は生き延びる方法を手に入れることができます。 このことを忘れてななりません。
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図1 大気がない時のエネルギーバランス。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/656-fig1.jpg
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図2 大気がある時のエネルギーバランス。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/656-fig2.jpg
本文終わり
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