牛飼い座 (No. 727)
date 2022 06 29 --------------------------- 梅雨空で雲が空をおおうことが多いこの頃です。 それでも、雲の隙間からチラッと星が見えて、 「いたいた、地上が雨でもちゃんとそこに居るんだね」と 変に安心したりします。 雲の間に確認できる可能性の高い星として一番に挙げられるのは、 うしかい座のアークトゥルスでしょう。 図1をご覧ください。 もし、今晩晴れていれば午後8時頃に空を見てください、 うしかい座はまさに天頂(頭上)にきています。 ちゃんと頭、右肩、左肩、腰、足と人の姿をしています。 学名はBoötesです。oの上に点々がついているのは 二つのoを分けて発音すると言う意味です。 なので学校School(スクール)のようにウーと長く伸ばさないで、 読み方はボオーテスでオを強く読むとだいたい近い発音になります。 単語の前半が「牛」の意味で、 後半が「動かす」の意味で、 合わせて日本語訳が「牛飼い」になっています。 前半は英語的に言うとビーフのことですね。 私は、Boötesをビーフ・ステーキだと思って名前を覚えています。 うしかい座の周りに牛の星座はありませんし、 アークトゥルスの意味は熊の番人だそうですので、 熊に襲われないように牛を守っている人なのでしょう。 ギリシア神話の物語でもうしかい座が出てくるそうですが、 一般に普及した物語として私は見たことがありません。 プトレマイオスの48星座に入っているので 由緒ある星座であることは間違い無いですが。 ギリシアよりもっと昔に歴史を辿ると、 バビロンの新年祭の粘土板に出てくる「シュパ星」と言うのが うしかい座に対応していると考えられています。 対応する神様は丸めてロープを持つ地位の高い神様でないかと 推定されています。 しかし、よくわかりません。 アークトゥルスという0等星がとても目立つ星にもかかわらずです。 またっく謎の多い星座です。
図1 今晩6月29日午後8時頃の夜空(天頂を中心に)(Stellariumuを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/727-fig1.jpg
図2 シュパのイメージ図(ホワイト氏 Babyloinan Star-Loreを参考に描画) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/727-fig2.jpg
本文終わり
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