日常は宇宙とつながている (No. 790)
date 2023 09 16 --------------------------- 図1はどこにでもあるような景色です。 こんな場所が宇宙とつながっている感じは全くありません。 この場所に図2のような物を置いて、SKA天文台の浅山慎一郎さんが実験をしてくださいました。 場所は、京都大学理学研究科セミナーハウスの庭です。 このセミナーハウスにて中性子星の観測と理論という会議が9月6日から8日まで開かれたのですが、 その時のことです。 ダンボールでメガホンのような筒を作って、内側にアルミフォイルを貼り付けます。 それを直径20cmほどの大きな缶に取り付けて、缶の脇腹の部分に金属棒を差し込みます。 これがアンテナになります。 そこからケーブルで小さな受信機をとおしてパソコンに繋ぎます。 これが電波の受信装置になります。 アルミフォイルの筒に入ってくる電波が どんな周波数でどれくらい強いかがわかる装置になっています。 さてどんな電波がこれでわかったかというと銀河系(天の川)からの電波です。 何気なく毎日の生活をしていますが、 そこにも天の川からの電波が降り注いでいるのですね。 しかも、巨大な電波望遠鏡で調べないとわからないようなものでなくて、 こんな小さな受信機でわかるというのが驚きです。 宇宙の中に私たちが暮らしていることを感じます。 図2のノートパソコンの画面のグラフは、 電波の波長が21センチメートルであることを示しています。 この波長は水素原子から出ているものです。 銀河系のガスは台風の雲のように渦をまいていますが、 この渦巻の形が初めて解明されたのは、この電波です。 色々な方向に図2の筒状のアンテナを向けて調べると渦巻きのパターンを見つけることができます。
図1 何気ない風景の中にも宇宙からの便りが届いています。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/790-fig1.jpg
図2 手作りの電波望遠鏡のセットです (浅山慎一郎さん提供)。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/790-fig2.jpg
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