生命は宇宙から (No. 820)

date 2023 04 27
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地球上の生命の材料物質が宇宙で作られ、地上に持ち込まれた様子が徐々に解明されつつあります。
原始地球で無機物から有機物が合成され、生命が誕生するに至ったというのはもはや古い考えになってきました。

地球が生まれる前、太陽も生まれる前、
太陽は、胎児にあたるプロトスターという段階にありました。
二つのプロトスター IRAS 2A と IRAS 23385 を
ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡で観測した結果が最近発表されました。
この天体のまわりにある小さな氷の粒による光の吸収を分析した結果が図1です。
いわゆるスペクトル分析です。

結果を見るといろいろな有機物が見つかったようですね。
エタノールと書いてあるのは消毒でお世話になったアルコールのことですね。
酢酸というのは食酢の主成分。
アセトアルデヒドは、お酒を飲んで、アルコールが分解されるとできる物質で体には毒であり酔っ払う原因です。

今回注目されるはこれらが氷の微粒子の表面にあることです。
図2のように宇宙空間の大きなガスの雲が重力で収縮して星ができます。
中心にプロトスターができたころ、周りの冷たいガスの中に氷や砂粒のようなチリが形成されます。
このような個体の粒の表面でいろいろな化学反応が起きることが知られています。

全体がわずかに回転しているので、チリは円盤状になって沈殿していきます。
これで有機物はガスでいる時よりもずっと効率よく凝縮できるのが重要です。
これらのチリは、私たちが彗星や小惑星としてしっている大きな塊に成長します。
有機物をたくさん含んだこれらの天体ができたばかりの地球に持ち込まれて、
生命の材料物質になったのではないかと考えているわけです。
この様なことが本当に起こるのかの証拠集めが現在進んでいます。






図1 ジェームズ・ウエッブによる二つの天体で得られたスペクトル(提供:NASA, ESA, CSA, L. Hustak (STScI). Science: W. Rocha (Leiden University).) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/820-fig1.jpg
図2 星ができる過程 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/820-fig2.jpg
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