月の旅する速さ (No. 827)
date 2024 06 15 --------------------------- 5月18日のこのコーナーでは、 二つの一等星、おとめ座のスピカとしし座のレグルスの間に月がいますと紹介しましたが、 さて、今日の月はどうでしょう。 図1のように、今日の月もちょうどスピカとレグルスの間に来ています。 先月とほぼ同じ位置に見えています(ややスピカに近いですが)。 矢印は月の旅する道と呼ばれる月の移動経路です。 宇宙空間から見た5月18日の月の位置を図2に、 今日の位置を図3に示しました。 月が地球の周りを一周して少し経過したところです。 そして日数を数えてみると28日が経過しています。 月の公転周期は27.3日なのですが、まさにその周期がここに現れています。 もう少し正確に星と月の位置関係を調べると27.3という数字は自分の力で測定可能です。 夏休みの宿題があるみなさんは挑戦してはどうでしょう。 5月18日と今日と全く同じかというと違うことがあります。 月の形が違います。 実際、月の満ち欠けの周期は29.5日で公転周期27.3日よりも長くなっています。 この違いは地球の太陽の周りの公転に由来します。 図2と図3を比べると、 5月18日と今日では太陽の光の方向が異なっています。 月の満ち欠けの周期は、 月の公転周期に地球の公転の影響を加算した周期になっているわけです。 こういったことを丁寧に見ていくと、 太陽系の構造が解明できそうだと感じていただけたでしょうか。
図1 今日、午後8時頃の夜空(ステラリウムを用いて作図)。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/827-fig1.jpg
図2 5月18日の月の位置 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/827-fig2.jpg
図3 6月15日の月の位置 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/827-fig3.jpg
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