金星と紫金山・アトラス彗星 (No. 845)
date 2023 10 19 --------------------------- 西の空に新しい輝星が現れています。 星探しの基準となる三つの0等星、織姫星、麦星、カペラ以外に明るい星を見つけたら惑星でしたね。 東の空に見える明るい星は土星と木星ですが、 最近になって西の空の地平線近くに明るい星が登場しています。 金星です(図1)。 日没がおおよそ午後5時ですので、5時半頃がみごろです。 6時には沈んでしまいます。 マイナス4等星ですので、1等星の100倍の明るさです。 まさに一番星です。 秋に見える金星やその他の惑星は高度が低いという特徴があります。 図1で黄色い線が黄道で、太陽の通り道なのですが、 これから冬に向かって太陽がこの道筋に沿って東(左方向)に移動していきます。 冬は太陽は低い位置にありますね。 まさにその低い冬の太陽の位置に惑星があるのです。 今週は宇宙からの贈り物で彗星が見えています。 この原稿の執筆時点で明るさの予想は難しいですが、軌道は確定しているので図1の位置に見えるはずです。 長い棒線の方向に「尾」を引いているはずです。 予想では肉眼で見るのは難しそうですが、 双眼鏡があるといいかもしれません。尾は手のひらを広げたくらい長く伸びていると思います。 スマホでも良いので写真には綺麗に映ると思います。お試しください。 彗星は小惑星同様に太陽系で惑星が生まれると並行して作られた星のかけらです。 太陽に近いと温度が高いので個体になるのは岩石成分です。これが小惑星。 太陽から離れたところは寒くて、水や二酸化炭素が氷になって岩石と氷が混じってかたまりを作ります。 これが彗星本体です。 彗星本体が太陽に近づくことがあると氷成分が気体になり吹き出します。 実際に探査機で撮影した例が図2です。 これが尾を形成し、私からは彗星として見えます。
図1 今晩午後5時30分頃の西の空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/845-fig1.jpg
図2 左:小惑星イトカワ(提供:JAXA)、右:彗星Comet 67P(提供:ESA または 提供:欧州宇宙機関 という日本語訳でもいいかもしれません。) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/845-fig2.jpg
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