二重星 (No. 865)
date 2025 03 22 --------------------------- 南方向の夜空は賑やかですが、 今晩は静かな北を向いて観察してみましょう。 正面を北にして、頭上付近を見上げると、 ひときは目立つカペラという星が見つかります。 カペラは冬の象徴です。 そのカペラが真北と真南を結ぶ線(子午線と呼びます)より西側にあります。 これは冬がもう終わりだよというメッセージです。 カペラが東の空に見え始めたのは晩秋でした。 そして今、カペラが西に回ってきたところで春を感じます。 北の空の中程に北極星があり、その東に北斗七星、西側にカシオペヤが見えています。 北斗七星はおおぐま座に属し、熊のしっぽの部分にあたります。 7つの星を図のように「おおぐまのしっぽ」と文字を対応づけして覚えましょう。 どれも明るい星ですが「ま」の星だけが少し暗くて街中では見えないかもしれません。 カシオペヤも文字を図のようにあてはめると、「ヤ」の星が暗くてみにくいです。 つぎに北斗七星の「しっ」の星ですが、よく見ると「し」に当たる明るい星(ミザール)と、 「っ」に当たる暗い星(アルコル)が直ぐそばにあります。 このようによくみると実際は二つの星であるものを二重星と呼んでいます。 たまたま同じ方向にあって距離の異なる二つの星が重なって見えている場合が多いのですが、 実際に二つの星がペアになってお互いの周りを周りあっているものもあり、 こちらは連星とよんでいます。 ミザールを望遠鏡で見ると実は二つの星に分離して見えていてこれは連星になっています。 この二つの星をミザールA、ミザールBと呼びます。 ミザールAをプリズムなどを使って光を分ける方法で観測すると(分光観測と呼びます)、 望遠鏡で確認できないもう一つの星があって、 その星とミザールAがペアを作って連星になっていることがわかりました。 分光すると星にある元素から特有の波長の光の吸収が見えるのですが、 波長が周期的に変化することから星が何かの周りをくるくる回っていることが分かるのです。
図1 今晩午後7時頃の夜空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/865-fig1.jpg
図2 分光するとわかる連星 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/865-fig2.jpg
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