スピカ (No. 877)
date 2025 06 14 --------------------------- 6月の夜空はどうなっているでしょう。 図1は今晩8時頃の南の空です。 最初に目をつけるのは、もうご存知ですね、「麦星」です。 0等星なので非常に明るく街中でもしっかり見えます。 麦星から南の地平線に向かって視線を降ろしていくと、 中程に一つの1等星が見つかります。 麦星に比べると見劣りしますが、これでも1等星です。 この星の名前はスピカです。 聞いたことある方も多いのではと思います。 ラテン語で尖ったもの、麦の穂を意味します(図2参照)。 靴底に尖ったものを付けて、スパイクシューズと言っていますが、 スパイクも同じ語源の言葉です。 この星の表面温度は2万度もあって、白く冷たい色をしていて確かに尖った感じがします。 これがスピカの名前になったのかもしれません。 麦星もスピカも二つの星が見える頃に麦が実ることにちなんだ名前です。 日本では、小麦色の肌をした麦星を男星、白い肌のスピカを女星といい、 二つセットにして夫婦星(めおとぼし)と呼ぶところがあります。 中国でもこの二つの星はセットで考えていて、 麦星の方を大角、スピカを角と呼んでいて、青竜の頭の2本の角とみなしています。 さて、スピカをしっかり味わったら、麦星とスピカを結ぶ線を考えて、 その右側に正三角形を作る位置に星を見つけてください(図2のD)。 うまく見つかったらこれが春の大三角です。 そして新たに見つかった星はデネボラという名前です。 アラビア語でししの尾といういみです。 デネボラの右側に二つ明るい星が並んで見えます。 火星としし座の主星レグルスです。
図1 6月14日午後8時頃の夜空(ステラナビゲータを使用して作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/877-fig1.jpg
図2 おとめ座の絵で、麦の穂が描かれている位置にスピカがあります。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/877-fig2.jpg
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