カラス座の起源 (No. 873)
date 2025 05 17
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コローネウスの娘のコローニスは、
海の神ポセイドンに気に入られてしまいます。
しかし、どうもポセイドンには馴染めない、
コローニスはポセイドンを避けて逃げ続けることになります。
見かねた女神アテナは、
コローニスをカラスの姿に変え天にあげ、救ったと言います(ギリシア神話)。
それがカラス座です。
ギリシア神話にはこれとは別に嘘つきカラスが星座になったという話もあります。
ともあれ、カラス座を見つけてみましょう。
夏至までもう一月程で、日が長くなかなか暗い夜空になりません。
それでも、午後8時くらいには真っ暗な空になります。
南の空を見ましょう。
南東の高い位置にひときはあかるい麦星がまず目に入るはずです。
そこから右手、少し下がって真珠星(スピカ)があります。
麦星は0等星、真珠星は1等星なので、真珠星は暗く貧弱に見えます。
麦星と真珠星を結んですこし延長すると、やや右手に、4つの星が図1のようにみえます。
正方形でも長方形でも台形でもない四角形ですが、なぜかかっこいい四角形です。
これがカラスの形に見えるかというととてもそうは思えません。
しかし、この星座は紀元前から存在し、
プトレマイオスの48星座にも入っています。
昔の人は、カラスの姿を想像できたのでしょう。
プトレマイオスが表したアルマゲストを読むとちゃんと説明があります。
1の星がカラスの嘴、
2の星が首、
3の星が右の翼、
4の星が後翼、
5の星が足、
というふうに書かれています。
図2をご覧ください。
現代の星図とフラムスチードの天球図を重ねて描いています。
しかし、どうみてもカラスの姿にはみえないのですが、
実際の空で皆さんもカラスの姿を想像できるか試してみてください。

図1 5月17日午後8時頃の夜空(ステラリウムを用いて作図)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/873-fig1.jpg

図2 カラス座(フラムスチードの星座図, 1795 (Linda Hall Library 蔵)とステラリウムから合成)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/873-fig2.jpg
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