牧神パン (No. 889)

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date 2025 09 06
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足の速いことで知られる伝令の神ヘルメス(水星)は、
生まれたその日にアポロンの牛を盗んだというなんとも困った子です。
早熟で4日目には姿はもう青年だっと言われています。
ヘルメスは羊飼いの少女ペネロペを愛しますが、
二人の間に生まれた子は想像もつかない奇妙な姿だったので、
びっくり仰天した母ペネロペはそのままどこかに逃げてしまいました。

ヘルメスはこの子をウサギの皮に包んでオリンポスの神々の下に連れていきました。
神々はその奇妙に愛嬌のある姿を面白がって喜びました。
全ての神々を喜ばせたということで「すべて」を意味するパンという名前を授けました。
パンは牧神とされ、上半身は人間のすがですが頭にヤギの角を生やしていて、
下半身はヤギの姿とされます。

私はこの頭に角を生やした牧神の姿がとても気に入っています。
ピカソは晩年陶芸に打ち込みますが、お皿などのデザインの素材にこの牧神をよく使いました。
私も時々牧神の絵を書きます(図1)。

このパンがパニックを起こして、化け損ねたすがたがヤギ魚とされています。
上半身がヤギで下半身が魚という奇妙な動物です。
これがやぎ座として星座になっています。
ちょうど夏から秋にかけて季節の変わり目に見える星座です。
パンの話はギリシア神話ですが、ヤギ魚は古代メソポタミアからある星座です。
古代からあるやぎ座に後付けでギリシアでパンの話が付け加わったことになります。

今晩のやぎ座の位置を図2に描きました。
暗い星が多いので月のある今日は見つけにくいと思いますので、
しばらく待って月が出てくる前に探してみましょう。
目印になるのはいて座とわし座になります。






図1 牧神のイメージ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/889-fig1.jpg
図2 今晩、午後8時頃の星空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/889-fig2.jpg
本文終わり   (他の記事も読む)(homeへ)
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