マウイ、島を釣り上げる (No. 892)
date 2025 09 27 --------------------------- 夏の星々が別れを告げています(図1)。 午後6時頃になると夕焼けが終わり、夜がやってきます。 西の空には三日月が綺麗ですね (実際は月齢6ですので三日月よりやや太っています)。 そのすぐ横に夏の星座の代表の一つであるさそり座が月と一緒に沈んでいきます。 もう本当に夏はさよならです。 地平線近くにもう一つ、しばらくお別れになる火星が見えています。 地平線近くで見にくいですので、日が沈んでから双眼鏡で探してみましょう。 少し北寄りの高い位置に麦星がいます。 麦星は北極星に近いので見えている期間が長く、春から見え始め晩秋まで見え続けます。 ポリネシア伝説の文化英雄にマウイがいます。 数々の偉業を成し遂げたマウイですが、 そのなかでもとびきりダイナミックなのが海から島を釣り上げた話です。 マウイは五人兄弟の末っ子でしたが、 年老いたおばあちゃんの面倒を見たのは心の優しいマウイでした。 おばあちゃんは、死んだら自分のあごの骨で釣り針を作るようにと言って亡くなりました。 この釣り針はマウイの宝となりました。 ある日、兄弟で釣りに出たのですがその日は全く何も釣れません。 兄たちはマウイのせいだと罵りましたが、 突然、マウイのあの宝の針をつけた竿がすごい勢いで海に引き込まれそうになりました。 釣り上げたのは大きな魚ではなく大きな島でした。 最初、島は大暴れしましたがマウイは上手に押さえやっと静かになった時、 そこにできた島は現在のニュージーランドになったということです(図2)。 この釣り針が星になりました。それが図1のさそり座です。 ちょうど釣り針のような形をしていますね。 日本でもさそり座のところを魚釣り星と呼ぶ地方もあります。 ポリネシアの文化と日本の文化と繋がりがあるのでしょうか、 それとも偶然、両方の人々が釣り針を思い浮かべたのでしょうか。
図1 今日、午後6じころの南西の夜空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/892-fig1.jpg
図2 マウイはニュージーランドを海から釣り上げて島にしました。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/892-fig2.jpg
本文終わり (他の記事も読む)(homeへ)
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/892-fig.pptx pptx references will be note-892