宇宙は膨張している (No. 895)

(他の記事も読む) (homeへ)
date 2025 10 18
---------------------------
宇宙は膨張していることをご存知でしょうか。
昔の本を読んだ方は、
宇宙は膨張しているけど、
もしかしたらやがで収縮に転じるかもしれない、
と書かれた本を読んだ方もおいでかもしれません。
最新の観測では宇宙膨張はその勢いをどんどん増していて収縮に転じる気配は全くありません。

「宇宙が膨張していることがなぜわかるか」についての説明では、
光のドップラー効果(光を発する物体が動いていると光の波長が変化する現象)や、
ハッブルの法則が出てきて、それらから分かるということになっています。
しかし、物理や数学に慣れていないとなかなか理解が難しいですね。
光のドップラー効果やハッブルの法則を使わないで宇宙が確かに膨張していると納得できる説明を
したいと思います。
ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡の観測したデータをもちいます。


光は波です。電磁波です。光の波長はミクロン単位で考えるとイメージしやすいです。
例えば、乳酸菌のサイズは3ミクロンくらいです。
可視光線の波長は0.5ミクロンくらいと覚えておきましょう。
細菌よりちょっと小さいくらいとおもうと意外と大きいという印象になりませんか。
図1のように、右の銀河から波長0.5ミクロンの光が出発して、
私たちの銀河(左端)にやってきたとします。
普通の考えだと到着した時の光の波長は出発の時と変わらず0.5ミクロンのはずです。

ところが図2のジェームス・ウエッブ宇宙望遠鏡の分光結果を見ると、Dの銀河から来た光では、
波長5ミクロン近くになっています。
光が宇宙空間を旅行している間、おそらく百億年くらいの間だと思われますが、
その間に宇宙が膨張し空間が伸びたために光の波長が伸びたとしか考えられません。

銀河Dが一番長く宇宙を旅していて、銀河C、B、Aの順で旅した距離が短いです。
銀河Dが一番暗くて大きさが小さく、銀河Aが一番明るく大きさも大きいので、銀河Dが一番遠くにある、
宇宙は膨張し続けおり、
長い旅をした光ほど波長がながくなっているが遠くの銀河の光の観測からわかるのです。







図1 光の波長が伸びる http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/895-fig1.jpg
図2 遠くの銀河からの光の波長(提供:NASA ジェームズ・ウエッブ宇宙望遠鏡) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/895-fig2.jpg
本文終わり   (他の記事も読む)(homeへ)
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/895-fig.pptx pptx references will be note-895