共生星 (No. 910)

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date 2025 02 07
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共生星というのがあります。
ヤドカリとイソギンチャクの共生とか、共生社会とか、共に生きるという意味の共生ですが、
星が共生しているってどんなこと、と思ってしまいますね。
まずは実物の写真をご覧ください(図1)。
なかなか派手な姿をしていますね。

これはみずがめ座R星として知られている星で、
この星の光のスペクトルを調べていて不思議なことがありました。
それは、分子による光の吸収が見られ、これは低温の星の証拠です。
ところが、高温である証拠の輝線も同時に観測されたのです。
これは一つの星ではなく二つの星が共生しているのではないかということになり、
共生星という名前がつけられました。
みずがめ座R星だけでなくたくさんの共生星が現在では見つかっています。

みずがめ座R星までの距離は710光年です。
この距離の誤差は5%でとても正確なのですが、
これは岩手県奥州市にある水沢VLBI観測所VERAプロジェクトによる結果です。
水沢、入来、石垣島、小笠原の四ヶ所の電波望遠鏡をくみ合わせて、
電波干渉計という技術を使って測定しました。

さて、共生星の正体は何なのでしょう。
それは、
低温でとても大きな直径の赤色巨星と地球サイズの小さい白色わい星というふたつの種類の星が互いに回りあっている
連星であることが現在ではわかっています。
この連星では、
巨星の表面の低温のガスが剥ぎ取られて相手の白色矮星に向かって落ちていっています。
落ちるガスは円盤をつくりそこが高温になっています。
想像図を図2に示しました。
光のスペクトルが不思議に思えたのは、
低温の巨星と高温のガス円盤の両方が共存していたからでした。




図1 みずがめ座R星 (Credit: NASA, ESA, M. Stute, M. Karovska, D. de Martin & M. Zamani (ESA/Hubble)) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/910-fig1.jpg
図2 共生星の想像図 (Credit: Dana Berry (STScI)) なお、STScIはspace telescope Science Institute 宇宙望遠鏡科学研究所, NASA http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/910-fig2.jpg
図3 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/910-fig3.jpg
本文終わり   (他の記事も読む)(homeへ)
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